IRに乗らない正確な情報を入手する方法を事例に学ぶ
上場企業へ電話をかけ個人投資家と名乗ると電話インタビューが出来ることをご存知でしょうか?もちろん「明日の決算発表を事前に教えてくれ」といったような情報は聞くことが出来ませんがIR資料を見て疑問に思ったことを聞くとかなり明確な答えを得ることが出来る場合が多いです。多くの人はIRの詳細な分析もせず買いますがこの方法を使えばIR+電話インタビューという強力な情報を元に戦うことが出来ます。
良い銘柄を選ぶのももちろんですが悪い銘柄、通称クソ株を避けるためにも有効です。さて、ここでは最近の有名クソ株銘柄「メタップス」を例に取りましょう。
クソ銘柄メタップス(ゴミップス、タメップス)
上場時初値が2000円前後、現在は1700円程度で落ち着いています。上場直後は社長の佐藤さんが話す「人工知能」「仮想通貨」というマジックワードで高値を維持、じわじわとバケの革が剥がれている感じがなんとも言えません。さらに上場直後から業績見通しが出せず自ら「上場不的確の恐れがある」などとIRで出していた胸熱ベンチャーです。さて、ここでつい最近発表されたIRを見てましょう。
異様に低い粗利率とその正体
人工知能ビジネスで粗利率が13%...つまり原価率87%。さらに低下を続けています
ネット企業では原価がかからずエンジニアの人件費がかさみ普通は粗利率は極めて高くなります。これはおかしい、広告代理店を彷彿させる粗利率です。
しかしIRには「オフライン広告の取り扱い」としか書いてありません。何をしているのかこいつらは。そこで!電話の出番です。
やり方は簡単、代表電話から「個人投資家です、IRについて質問があります」と話してみましょう。するとIR担当者に繋がれ名前を聞かれますが恐れず名乗りましょう。デメリットは特にありません(偽名でもよいですが)。
「ここにオフライン広告の取り扱いとありますが、これはなんですか?」
「あ、これはテレビCMの枠売ですね」
「!?広告代理店のようなことをしているということでしょうか?」
「はい」
人工知能が聞いてあきれる、小奴らはただの広告代理店である。売上は上がるが粗利率は低く収穫逓増の爆発的な成長は見込みにくい。四半期決算の成長率も急成長ベンチャーらしくありません。さて、次の一手は・・・
曖昧な成長戦略
動画、fintech、人工知能です。おしゃれです笑
動画関連事業は売上挙がりそうだなぁと思いますが普通のサイバーエージェントのようなレガシー会社がやっているビジネスのみみっちい版だと考えると先行きも明るくなさそうです。頼みのfintechは「スマホの普及とマイナス金利などの 外部環境の変化により、新しい金融 ビジネスが生まれる環境が整う」、具体的に言ってくれ!
M&Aすれば売上は上がる、当たり前だ。成長ベンチャーを気取ってくれ!
さて、業績見通し。売上倍以上、黒字化。本当かいな。これは8月の決算が楽しみです。
そこで締めはお馴染み「世界の頭脳へ」
いやいや、頑張って広告代理店やって下さい。
ウリを推奨する成長が見込めない数字合わせをなんとかレガシー事業とM&Aで行ったクソ銘柄でした。